J-1ビザに、米国政府が定めた公式のTOEIC・TOEFLの基準点(合格ライン)はありません(2026年5月時点)。米国の規則が求めるのは、参加者がプログラムで日常的に活動できる十分な英語力を持つことを、スポンサー(指定団体)が客観的に確認することだけです。確認方法は「英語試験・在学証明・記録された面接」のいずれかで、スポンサーが選びます。本記事は米国規則(eCFR 22 CFR 62.10)などの一次情報をもとに、必要な英語力の正しい考え方と準備のしかたをまとめました。
この記事でわかること
- 結論|J-1ビザに「公式のTOEIC・TOEFL基準点」はありません
- では英語力はどう判断される?(米国規則 22 CFR 62.10)
- TOEIC・TOEFLは必要?スコア提出は求められる?
- インターン・トレーニーに求められる英語力
- 実際にどれくらいの英語力を準備すべき?
結論|J-1ビザに「公式のTOEIC・TOEFL基準点」はありません
まず誤解を解いておきましょう。「J-1ビザはTOEIC◯点以上が必要」といった政府公認の固定スコアは存在しません(2026年5月時点)。米国の連邦規則を見ても、特定の試験名や点数は一切指定されていません。求められているのは、あなたがプログラムで日常的に機能できる十分な英語力を持っているかどうか、という実質的な基準です。J-1ビザの全体像はJ-1ビザ完全ガイド、カテゴリ別の違いはビザ種類ガイドもあわせてご覧ください。
では英語力はどう判断される?(米国規則 22 CFR 62.10)
根拠は米国の連邦規則 22 CFR 62.10(a)(2) です。ここでは、スポンサーが参加者を選考する際に、その人が「プログラムで活動し、日常的に機能できる十分な英語力」を、客観的な測定(objective measurement)によって確認しなければならない、と定めています。つまり「英語ができること」を、スポンサーが何らかの根拠をもって裏付ける義務があるわけです。原文はeCFR(22 CFR Part 62)で確認できます。
スポンサーが使う3つの確認方法
同規則は、英語力を確認する方法として次の3つを認めています。スポンサーはこのいずれかを用います。
- 認定された英語試験(recognized English language test)
- 学術機関または英語学校による署名入りの証明書(signed documentation from an academic institution or English language school)
- スポンサーが実施し記録した面接(documented interview)。対面・ビデオ会議で行い、ビデオが難しい場合は電話で実施します。
重要なのは、必ずしも試験スコアが要るわけではないという点です。記録された英語面接や、在学・修了を示す署名証明だけでも要件を満たせます。どの方法を使うかはスポンサー次第なので、応募前に確認しておくと安心です。スポンサーや取次エージェントの選び方はエージェント比較ガイドで解説しています。
TOEIC・TOEFLは必要?スコア提出は求められる?
TOEICやTOEFLは「認定された英語試験」の一例にあたり、提出すれば英語力の客観的な裏付けになります。ただし前述のとおり、規則上の固定スコアは無く、提出が一律に必須でもありません。実際には、多くのスポンサーが英語での面接で英語力を判断します。すでにTOEIC・TOEFLのスコアがあれば任意で提示してもよいですが、まずは応募先スポンサーが「どの確認方法を採用しているか」を確かめるのが先決です。
インターン・トレーニーに求められる英語力
インターンやトレーニーのカテゴリでは、規則(22 CFR 62.22 / 62.23)で「研修環境で日常的に機能できる、検証可能な英語力」があらためて求められます。研修先で指示を理解し、同僚とやり取りできるレベルが前提、というイメージです。学生インターンについても、英語面接・英語試験・署名証明のいずれかで英語力を確認すると明記されています。カテゴリごとの位置づけはビザ種類ガイドで確認できます。
実際にどれくらいの英語力を準備すべき?
規則が求めるのは「日常的に機能できる」レベルで、ネイティブ並みの完璧さではありません。目安としては、自己紹介・志望理由・これまでの経験を英語で説明でき、面接官の質問を聞き取って答えられる日常会話レベルを準備しておくと安心です。J-1の選考や大使館面接でも英語でのやり取りが想定されるため、英文履歴書は米国インターン向け履歴書ガイド、面接対策は面接対策ガイドを参考にしてください。
英語に自信がない場合の準備のしかた
- スポンサーとの英語面接を想定し、自己紹介・志望理由・経歴を英語で言えるよう練習する
- 研修・職種に関連する専門用語を英語で押さえておく
- 必要に応じてTOEIC・TOEFLなどを受け、客観的なスコアを用意しておく(任意)
- オンライン英会話などで聞く・話すに慣れておく
英語力の確認はあくまで「プログラムを完遂できるか」を見るためのものです。点数そのものよりも、現場で困らない実用的なコミュニケーション力を磨くことが本質的な対策になります。プログラムの基本は国務省BridgeUSAでも確認できます。
よくある質問(FAQ)
J-1ビザにTOEICやTOEFLの基準点はありますか?
米国政府が定めた公式のTOEIC・TOEFLの基準点(合格ライン)はありません(2026年5月時点)。米国規則は「客観的な測定で十分な英語力を確認する」ことだけを求めており、特定の試験名やスコアは指定していません。確認の役割はスポンサーが担います。
英語力はどうやって確認されますか?
米国規則22 CFR 62.10により、スポンサーが英語力を客観的に確認します。方法は(1)認定された英語試験、(2)学術機関または英語学校による署名入りの証明書、(3)スポンサーが対面・ビデオ会議・電話で実施し記録した面接、のいずれかです。どれを使うかはスポンサーが決めます。
TOEICのスコア提出は必須ですか?
TOEICのスコア提出が一律に必須というわけではありません(2026年5月時点)。試験はあくまで確認方法の一つで、スポンサーは記録された英語面接や在学・修了の署名証明でも代替できます。必要書類はスポンサーごとに異なるため、応募先に直接確認してください。
英語にあまり自信がなくてもJ-1ビザは取れますか?
プログラムで日常的に活動できる英語力があれば可能性はあります。規則が求めるのは「日常的に機能できる十分な英語力」で、ネイティブ並みの完璧さではありません。多くはスポンサーとの英語面接で判断されるため、自己紹介や志望理由を英語で話せるよう準備しておくと安心です。