アメリカで就職や長期滞在を考える中で、ビザの問題があります。永住目的での入国及び永住を目的とするためのビザは移民ビザと呼ばれ、 反対に米国に留学や就労などの目的で長期滞在をするためのビザは非移民ビザと呼ばれます。非移民ビザの中でも、米国内の特定の企業に就労し、収入を得るのに必要なビザが就労ビザです。
就労ビザの種類
A ビザ 外交官ビザ
B ビザ 短期観光、出張ビザ
C ビザ 通過ビザ
D ビザ 乗務員ビザ
E ビザ 投資家、貿易家駐在ビザ
F ビザ 学生ビザ
G ビザ 国際機関関係者ビザ
H ビザ 広い範囲の労働ビザ
I ビザ 特派員ビザ
J ビザ 交換プログラム
K ビザ 婚約者、配偶者ビザ
L ビザ 企業内管理職転勤者ビザ
M ビザ 職業訓練生ビザ(専門学校)
O ビザ 芸術、科学、ビジネス
P ビザ スポーツ選手、芸術関係者
Q ビザ 国際的文化交流者
R ビザ 宗教関係者
S ビザ 情報提供者
T ビザ 人身売買の犠牲者
U ビザ 犯罪の犠牲者
V ビザ 永住権保持者の配偶者と未婚の子供
と、たくさん種類があるんですね!その中でも、日本人が利用する代表的な就労ビザには次のようなビザがあります。
OPT
J1ビザ(交流訪問者ビザ)ってどんなビザ?
J1 trainee visa
今回ご紹介するビザはJ1 trainee visaと呼ばれるものです。インターンシップをして働きながら報酬を得られ、なおかつアメリカで滞在できるという点で経済的負担の少ない非常にメリットのある制度だと思います。(2017年時点でアメリカの大統領ドナルドトランプはH1b同様、この制度の廃止も示唆しているようですので、今後この制度は廃止される可能性があります。)
アメリカで収入
アメリカで合法的に報酬を得るためには、就労可能なビザを取得しなければなりませんが、長期の就労ビザであるH1b(特殊技能)については申請資格、審査基準が大変厳しく、また長い取得期間を必要とします。また企業にとってもリスクが高く、日本在住の米国就労希望者をサポートする企業はとても少ない状況です。
そのような状況の中、米国の就労可能なビザの中で現実的に取得できるビザが、米国民と外国の人々との相互理解を深めることを目的とした「J-1 ビザ(交換訪問者)」となります。期間は最大で18カ月です。
J-1 ビザの取得方法
J-1 ビザの取得方法は米国国務省から認可を受けた団体(ビザスポンサー)が発給する滞在許可証「DS2019」を申請・取得します。DS2019 をパスポートなどの書類と共に米国大使館に提出することによりJ-1 ビザが発給されます。
手続きは簡単ではなく、ビザスポンサーや研修を請け負ってくれる受け入れ先企業も探さなくてはいけないので、経験豊富なエージェントに依頼するのがベストだと思います。
エージェントに依頼すると
エージェントに対する手数料は5-15万円程度、その他、アメリカのビザスポンサーへの費用が一番高く、私の場合は、18カ月で40万円程、また、滞在期間中の健康保険代金として10万円ほどかかりました。ですが、全ては受け入れ先企業の報酬によりますが、18カ月間報酬を得られますので、結果的に収支はプラスで研修を終えることが出来ました。
今回は私が取得したJ1ビザについて取得の流れを詳しく記載しておきたいと思います。
J1ビザ(交流訪問者ビザ)とは?さらに詳しくご紹介!
J‐1 ビザは、交流訪問者ビザと位置付けられ、米国国務省(USDS)の教育文化局(Bureau of Educational and Cultural Affairs)が監督する『交流訪問者プログラム』の参加者に与えられます。
14 種類の交流目的に応じてDS-2019 が発給され、各カテゴリーにおいて米国での就労、研修、研究活動が許可されます。
また、J‐1 ビザはSocial Security Number を取得することが認められているため、合法的な就労が認められています。滞在許可証DS-2019 を発給するJ-1 ビザスポンサーは、アメリカ合衆国国務省が認可した非営利団体となります。
◇概要プログラム実施国・・・アメリカ合衆国
◇プログラム実施期間・・・最長12 ヵ月または18 ヶ月(カテゴリー・職種・業種等により異なります)
◇参加資格・・・18 歳~37 歳位までの健康な方。希望する研修分野における5年以上の実務経験、またはその研修関連分野での短大・大学での学位と1 年以上の実務経験。在学中の学生も参加可能。
◇申請可能な研修職種/分野・・・芸術・文化、情報メディア、通信、教育、社会学、図書館学、カウンセリング・社会福祉、マネージメント、ビジネス、商業・金融、健康、航空、科学、エンジニアリング、設計、数学、産業系職種、農業、林業、漁業、法律
■申請対象とならない研修職種/分野
- 医療関連の仕事(医師・看護婦・衛生士など患者と接触する医療分野)
- 船舶・飛行機の乗組員
- 芸術家・俳優・声楽家・演出家・舞台関係者など
- 家事手伝いに類する仕事
- エステティシャン、スキューバインストラクター、キャンプカウンセラー等
- 一般ブルーカラー労働職、簡易労働職など。
J-1ビザカテゴリー一覧私企業プログラム (全6カテゴリー) と教育機関・政府機関プログラム (全8カテゴリー)
- 外国人医師
- オーペア 住込みでベビーシッターなどを行う
- キャンプ カウンセラー
- 夏期短期労働/トラベル(教育機関在籍者)
- トレーニー
- インターン
- 政府訪問者
- 国際訪問者
- 教授・研究員・学者
- 短期訪問の学者
- 特殊技能者
- 高校生の交換留学
- 大学生/短大生の交換留学
- 教師
DS-2019Form
DS-2019Form は、米国国務省から認可を受けた団体・教育機関が発給する滞在許可証のことを言います。J-1VISA 申請時に米国大使館にパスポートなどの書類と共に提出することが義務付けられています。
現在、DS-2019を発給できる団体・教育機関は約50 団体あり、DS-2019 発給に際し、各団体・教育機関で交流目的に応じた発給基準を独自に設けています。
J-1 ビザ/Trainee カテゴリー
◇研修可能期間 : ビジネス・・・最長18 ヶ月間 接客関連・・・最長12 ヶ月間(プラス前後30 日間の旅行を目的とした滞在可)
◇研修可能時期 : 定めなし
◇研修可能地域 : アメリカ全土(ハワイ、グアム、アラスカ含む)
◇研修可能業種 : ビジネス系全般、ホスピタリティー全般、IT、教育、デザイン、サービス、小売 他
◇申 請 期 間 : 2~4 ヶ月程度
◇取得条件:
学校卒業後 1 年以上
下記条件のいずれかに該当すること
A) 研修先の業種、職種と関連した学位および関連した1 年以上の社会経験を有すること
B) 研修先の業種、職種と関連した5 年以上の社会経験を有すること◇特色
報酬を取得することができる
長期の研修が可能
高卒者であっても 5 年の職務経歴を経て取得可能
期間終了後に H1b 等他のステータスに変更が可能(有資格者のみ)
◇申請に必要な書類(例)
申請書・同意書/英文レジュメ・カバーレター/パスポートのコピー/写真(5×5)/英文在学証明書/英文成績証明書/
英文銀行口座残高証明書(保護者でも可)/推薦状/英語力を証明する書類 他
J-1 ビザ/Intern カテゴリー
研修可能期間 : 最長12 ヶ月間(プラス前後30 日間の旅行を目的とした滞在可)
研修可能時期 : 定めなし
研修可能地域 : アメリカ全土(ハワイ、グアム、アラスカ含む)
研修可能業種 : ビジネス系全般、ホスピタリティー全般、IT、教育、デザイン、サービス、小売 他
申 請 期 間 : 2~4 ヶ月程度◇取得条件:
高等教育機関(大学院・大学・短大・専門学校等)在籍中または卒業後 1 年以内
在籍中学部・学科内容または取得した学位が研修先の業種、職種と関連があること◇特色
報酬を取得することができる
長期の研修が可能
学生のみならず、卒業後1年以内であれば利用可能
※ 卒業後1年以上経過している方についてはカテゴリーが「Trainee」となります
期間終了後に H1b 等他のステータスに変更が可能(有資格者のみ)◇申請に必要な書類(例)
申請書・同意書/英文レジュメ・カバーレター/パスポートのコピー/写真(5×5)/英文在学証明書/英文成績証明書/英文銀行口座残高証明書(保護者でも可)/推薦状/英語力を証明する書類 他
■就労可能な職種
「トレーニー」「インターン」のカテゴリーでは、就労を通じて各専門分野の技術の向上、米国におけるその分野での知識、ノウハウ、専門知識の向上を目的とします。
Arts and Culture Aviation
The Sciences Engineering
Architecture Mathematics
Information Media and Communications Industrial Occupations
Education Construction and Building Trades
Social Sciences Library Science
Counseling and Social Services Business
Management Agriculture
Commerce and Finance Forestry and Fishing
Health Related Occupations Public Administration and Law
※その他、日本人であることがアドバンテージとなる業種・職種では、米国人の就労の機会を奪うことにはなりにくいのでDS-2019/J-1VISA 申請において有効となります。
医療関連の仕事(医師・看護婦・衛生士など患者と接触する医療分野)
船舶・飛行機の乗組員・芸術家・俳優・声楽家・演出家・舞台関係者など
家事手伝いに類する仕事
エステティシャン、スキューバインストラクター、キャンプカウンセラー等
一般ブルーカラー労働職、簡易労働職など(以下表参照)
一般ブルーカラー労働職、簡易労働職
Assemblers Household Domestic Service Workers
Attendants, Parking Lot Housekeepers
Attendants (Service Workers such as Personal
Services Attendants, Amusements and Recreation
Service Attendants)
Janitors, Bartenders, Kitchen Workers,
Bookkeepers, Caretakers
Automobile Service Station Attendants Key Punch Operators
Laborers, Common Laborers, Farm
Cashiers Laborers, Mine
Charworkers and Cleaners Loopers and Toppers
Chauffeurs and Taxicab Drivers Material Handlers
Cleaners, Hotel and Motel Nurses’ Aides and Orderlies
Clerks, General Packers, Markers, Bottlers and Related
Clerks, Hotel Porters
Clerks and Checkers, Grocery Stores Receptionists
Clerk Typist Sailors and Deck Hands
Cooks, Short Order Sales Clerks, General
Counter and Fountain Workers Sewing Machine Operators and Handstitchers
Dining Room Attendants Stock Room and Warehouse Workers
Electric Truck Operators Streetcar and Bus Conductors
Elevator Operators Telephone Operators
Floorworkers Truck Drivers and Tractor Drivers
Groundskeepers Typist, Lesser Skilled
Guards Ushers, Recreation and Amusement
Helpers, Any Industry Yard Workers
Floorworkers Hotel Cleaners
J-1ビザ取得までの流れ
※J-1ビザ取得に関して、エージェントにお願いすると、渡航までの流れとしては比較的スムーズとなります。
自分で申請するとなると相当大変だっただろうと思います。
さて、J-1ビザを取得するにはまず、何よりも先に受け入れ先企業を見つけなくてはいけません。企業との面接もあり、それに受かってもアメリカ大使館との面接(英語)もあります。
面接があるということは、落ちる人も必ずいるということです。
テロ等の影響により、年々ビザの審査が厳しくなり、今後もより一層厳しくなると思われます。
必ず却下されるのは、本来のこのビザの目的を理解せず、それに反する回答してしまった場合です。その際、明確な理由は教えてくれないそうですが・・・
例えば、
「研修終了後はどのような事がしたいですか?」という質問が来たとすると、「アメリカで働きたいです」と答えると必ず落ちます。
というのも、J1ビザの本来の目的が文化交流、また文化交流で得た知識や経験を今後の日米関係の発展の糧となるよう帰国後に還元してほしいという趣旨のものだからです。
私の友人も1度目の大使館面接に落ちて、2度目にパスしました。
3度目の挑戦になるとほぼ可能性がないということです。1度目で許可されなかった理由を覆さなくてはならないこと自体かなりハードルが高いのに、3度目までとなると相当な理由と根拠がないと不可能だからです。もはや弁護士が必要になる事案です。
また、領事によっても可否判断に違いが出たり、東京の領事館より、〇〇の領事館の方が受かりやすいなど、色々なネット情報があるようですが、真意は不明です。優しそうな人、怖そうな人という違いだけで、結構、心理的に影響してしまいます。
この様な点でエージェント、いわゆるプロをお勧めするのですが、今までのノウハウや実績がある点で心強いですね。働きながらビザに手配となると、ついついしなければいけない事が後回しになってしまうのですが、エージェントはお尻を叩いてくれます。時には、励ましてくれたり、モチベーションをあげてくれたり、費用はかかりますが、その分メリットもあるのです。
もちろん、自分で手配することも可能です。エージェントに支払うお金うん十万が全て浮いてくるので、それを今後のアメリカでの生活費に回せるのは大きいです。アメリカはほとんどの場所で車が必要ですし、渡航費や家賃など初期の出費はかさみます。
何より、これだけの事を自分で全て出来たら、自分に大きな自信がつくと思います。これは、アメリカで生活をする上でとても大切だと思います。
では、具体的なビザ取得の流れを見ていきましょう。